2026.09.04 | 助成金活用

人材開発支援助成金 コース比較|AI研修に使える助成金の種類

「AI研修に使える助成金」を調べると、事業展開等リスキリング支援コースの情報ばかりが目につきます。しかし、人材開発支援助成金には複数のコースがあり、どのコースで申請するかによって受け取れる助成額が大きく変わります。

結論からお伝えすると、中小企業のAI研修なら、経費助成率75%と最高水準で、DX化に伴う訓練が明示的に対象の「事業展開等リスキリング支援コース」が第一候補です。ただし、研修の内容や対象者によっては他のコースが適しているケースもあります。

この記事では、人材開発支援助成金の全体像と主要コースの違いを比較表で整理し、AI研修でどのコースを選ぶべきかを解説します。数字は2026年8月時点で確認できた情報に基づいています。

人材開発支援助成金には複数のコースがある

人材開発支援助成金は、従業員に職業訓練を実施した事業主に対して、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部を国が助成する制度です。主要なコースは次の4つです。

同じ「AI研修」を実施する場合でも、どのコースに当てはめて申請するかで助成率も限度額も変わります。まずは各コースの違いを一覧で見てみましょう。

主要コースの比較表(中小企業の場合)

中小企業を前提に、主要コースの助成内容とAI研修との相性を整理しました。

コース 主な対象訓練 経費助成率 賃金助成(1人1時間) AI研修との相性
事業展開等リスキリング支援コース 事業展開・DX化・GX化に伴う訓練(10時間以上のOFF-JT) 75% 1,000円 ◎ DX訓練が明示的に対象
人への投資促進コース(高度デジタル人材訓練) ITSSレベル3・4相当など高度なデジタル訓練 75% 1,000円 ○ 高度IT人材の育成向け
人への投資促進コース(定額制訓練) サブスク型のeラーニングサービス 60%(賃金要件等を満たすと最大75%) なし △ 経費助成のみ
人への投資促進コース(自発的職業能力開発訓練) 労働者が自発的に受講する訓練の経費を事業主が負担 45% なし △ 会社主導の研修には不向き
人材育成支援コース(人材育成訓練) 職務に関連する知識・技能の訓練(10時間以上のOFF-JT) 45%(大企業30%) 800円 ○ 幅広く使える基本コース
教育訓練休暇等付与コース 有給の教育訓練休暇制度の導入・実施 定額30万円(賃金要件等を満たすと36万円) ― △ 制度導入への助成

※人材育成支援コースでは、有期契約労働者等への訓練は経費助成率70%(正社員転換で100%)、有期実習型訓練は75%となるなど、対象者・訓練類型によって助成率が変わります。詳細は厚生労働省の公式情報をご確認ください。

経費助成には1人1訓練あたりの限度額もあります。たとえば10時間以上100時間未満の訓練の場合、事業展開等リスキリング支援コースは中小企業30万円であるのに対し、人材育成支援コースは15万円と、同じ訓練時間でも上限に2倍の差があります。

AI研修なら事業展開等リスキリング支援コースが第一候補である理由

比較表のとおり、中小企業がAI研修を実施する場合の第一候補は事業展開等リスキリング支援コースです。理由は3つあります。

理由1: 経費助成率75%は制度内で最高水準

中小企業の経費助成率75%は、人材開発支援助成金のなかで最高水準です。同じ75%の高度デジタル人材訓練(人への投資促進コース)は高度なIT訓練が想定されており、一般社員向けの生成AI活用研修では要件を満たしにくいのが実情です。一般の従業員向けAI研修で75%を狙えるのは、実質的にリスキリング支援コースと考えてよいでしょう。

理由2: DX化に伴う訓練が明示的に対象

このコースの対象訓練は、①事業展開に伴う訓練、②DX化・GX化に伴う訓練、③人事・人材育成計画に基づく訓練(令和8年3月2日追加)の3類型です。AI導入による業務変革は②に明示的に位置づけられており、AI研修が対象になるかを制度趣旨のレベルで悩む必要がありません。

ただし2026年8月3日の改正で、汎用的なプロンプト学習のような訓練は対象外となり、営業向け提案書作成訓練のように具体的業務に直結する訓練が対象と整理されました。研修内容が業務直結型であることは、これまで以上に重要です。

理由3: 賃金助成と限度額でも有利

賃金助成は1人1時間あたり1,000円(中小企業)と、人材育成支援コースの800円より高く設定されています。経費助成の限度額も、10時間以上100時間未満で30万円、100時間以上200時間未満で40万円、200時間以上で50万円と手厚い水準です。さらに2026年4月には、中小企業限定で設備投資加算(導入費用の50%、1人15万円上限)も新設されています。

具体例を挙げます。受講料40万円・12時間のAI研修をリスキリング支援コースで申請した場合、経費助成は40万円×75%=30万円(限度額の範囲内)、賃金助成は1,000円×12時間=1.2万円で、実質負担は約8.8万円です。同じ研修を人材育成支援コースで申請すると、経費助成率は45%ですが限度額が15万円のため経費助成は15万円にとどまり、賃金助成は800円×12時間=9,600円。実質負担は約24万円となり、コース選択だけで15万円以上の差がつきます。

他のコースが向くケース

とはいえ、すべてのケースでリスキリング支援コースが最適とは限りません。他のコースが向く典型例を挙げます。

コース選びの注意点|間違えると助成額が大きく変わる

最後に、コース選びで押さえておきたい注意点を3つ挙げます。

第一に、同じ研修でもコースによって助成額が数十万円単位で変わることです。 前述のとおり、40万円のAI研修でもコースが違えば実質負担は約8.8万円にも約24万円にもなります。訓練の目的と内容に照らして、最も有利なコースを選ぶことが重要です。

第二に、コースごとに計画届の様式や必要書類が異なることです。 たとえばリスキリング支援コースでは、職業訓練実施計画届に加えて事業展開等実施計画(様式第1-3号)の提出が必要です。計画届は訓練開始日の6か月前から1か月前までに労働局へ提出する必要があり、準備には3〜6か月かかるケースが多いため、コース選定は早めに済ませておくべきです。

第三に、リスキリング支援コースと人への投資促進コースはいずれも時限措置であることです。 前者は令和8年度末(2027年3月末)までの措置で、後者も令和8年度が最終年度とされています。助成率75%の水準でAI研修を実施できる期間は限られています。

なお、いずれのコースも支給決定は各都道府県労働局の審査によります。申請すれば必ず支給されるものではない点にはご注意ください。

よくある質問

Q1. 複数のコースを同時に使うことはできますか。

A. 同じ訓練について複数コースの助成を重複して受けることはできません。訓練ごとに、目的と内容に合ったコースを1つ選んで申請します。異なる訓練であれば、AI研修はリスキリング支援コース、別の職務研修は人材育成支援コース、と使い分けることは可能です。

Q2. 大企業でも使えますか。

A. 使えます。ただし助成率は中小企業より低く、事業展開等リスキリング支援コースの経費助成率は大企業60%(中小企業75%)、人材育成支援コースは大企業30%(中小企業45%)です。賃金助成も大企業は中小企業の半額水準です。

Q3. どのコースが使えるか自社で判断できない場合はどうすればよいですか。

A. 管轄の労働局・ハローワークに相談するのが確実です。また、研修会社によっては助成金の活用を前提としたコース設計や申請サポートを提供しているため、AI研修の場合は研修会社に「どのコースで申請できる設計か」を確認するのも有効です。

まとめ

AI研修の導入を検討中の方へ

リーフェイ株式会社の「AI DX研修 for Enterprise」は、事業展開等リスキリング支援コースの活用を前提に設計された法人向けAI研修です。AI×営業/AI×SNSマーケティング/AI×バックオフィスの3コースを職種別にカスタマイズする業務直結型のカリキュラムのため、2026年8月改正後も対象となる設計です。

受講料は40万円(税込)/人・約12時間で、助成金適用後の実質負担は約8.8万円(78%オフ)。どのコースで申請すべきかの判断を含め、助成金の申請サポートは無料でご利用いただけます。これまでに1,000名以上の育成実績、法人研修導入100社以上の実績があります。

いま資料請求いただいた方には「生成AI活用事例集」PDFを無料でプレゼントしています。詳細はAI DX研修 for Enterpriseをご覧ください。

※支給決定は各都道府県労働局の審査によります。
※本記事は2026年8月時点の情報です。最新の要件は厚生労働省の公式情報をご確認ください。

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